どっちのほうが効果ある？！「ヨガ」と「ピラティス」

ヨガとピラティスはいったい何が違うの？同じなのでは？？という疑問ってありませんか？

似たようなポーズもあったりして、同じものだと思っている方も多いかもしれません。

何が違うのか、気になって調べてみました。

似ているようですが起源や目的などが違っていて、歴史をはじめ呼吸法のやり方や特徴、その効果などヨガとピラティスの違いを紹介していきます。

知ることで目的に合わせて選ぶことができて良いと思います。

ヨガとピラティスの成り立ちは？

ヨガ

約４５００年前の古代インドで発祥した仏教などの修行法のひとつで、瞑想をしているような坐像が発掘されたことで、その頃が起源とされています。

飢えや戦い、病気などの苦しみから救われるための方法。悟りに至るまでの手段として瞑想が生まれたようです。ヨガのポーズ『アーサナ』は瞑想のための座り方を意味します。

その後は瞑想の坐法を補助するために、様々なポーズが確立されていきます。

修行のひとつとして始まったヨガはアーサナのポーズと呼吸法、瞑想で心と体を結びつけて心身が最も安定した状態をつくることを一番の目的と捉えています。

心が安定した状態は、心が充実して『幸せ』を感じることです。ヨガではそういった精神面を大切にしています。

ピラティス

ドイツ人のジョセフ・ピラティスが幼少期に自身の病弱な身体を改善するために、考案したものが始まりになります。

その後、第一次世界大戦で従軍看護師として看護にあたっていたことで、負傷兵が寝たままリハビリができるエクササイズへと発展しました。

さらに１９２６年にピラティス氏がアメリカに渡り、そのエクササイズがニューヨークのダンサーに受け入れられたことが現在のピラティスにつながっています。

こちらは根本的にリハビリ用として生まれたもので、身体に負担をかけずに強くしなやかな筋肉をつけることを目的としたエクササイズです。

なかでも、お腹周りを中心に深層の筋肉を意識して鍛えること。

骨盤や背骨、肩など骨格の歪みや偏りを正しい位置へと整えることに重点を置いています。正しい姿勢へと導くことでケガをしにくい身体づくりにも役立ちます。

ヨガとピラティスの呼吸法の違い

ヨガの呼吸法

様々な呼吸法がありますが基本は複式呼吸です。お腹が小さくなるまで鼻から息をすべて吐き切り、鼻から息を吸ってお腹を膨らませていきます。

肋骨の周りとお腹の境目にある横隔膜を大きく上下に動かしながら、意識的に呼吸を繰り返します。この意識した呼吸をプラーナーヤーマと言い、全身の気（プラーナ）の流れをコントロールしていきます。

呼吸に合わせてアーサナ（座禅）のポーズをキープしていきます。コントロールされた呼吸（プラーナーヤーマ）をしながら、アーサナをキープします。

心と体、プラーナーヤーマに集中することで瞑想の状態へと導きます。

ヨガでは腹式呼吸、意識した呼吸（プラーナーヤーマ）をおこなうことで、副交感神経を活性化させて乱れた自律神経を整えます。

安定したポーズで心と体のバランスを整えることで、精神的なリラックス効果が感じられます。精神面での強化のほかに、内臓にも働きかけ身体の中から整えます。

ピラティスの呼吸法

胸式ラテラル呼吸。鼻から息を吸って横隔膜が下がり、吐くときは広がった肋骨を身体の真ん中に向かって閉じていくような感覚でゆっくりと口から吐いていきます。

この呼吸法は肋骨を持ち上げる胸式呼吸と、横隔膜を十分に動かして呼吸をする腹式呼吸の良いところを取り入れた特別な呼吸法『Lateral Breathラテラル（横方向）呼吸』と言われています。

ピラティスの効果を引き出すために重要なポイントがいくつかあります。一度に身につけるのは難しいですが、できるところから覚えていくことが大切です。

胸式ラテラル呼吸をおこなうことで交感神経が働き、心と体を活性化させます。

ピラティスの呼吸法も横隔膜を意識して動かすので、自律神経を整える効果があります。身体の深層にあるコアの筋肉を鍛えることも大きな効果のひとつ。

特にお腹周りや深層筋を意識するエクササイズで体幹を強化していきます。また背骨や骨盤などを正しい位置に整えることで姿勢の改善など身体の矯正にもつながります。

ヨガとピラティスを選ぶポイントは？

仕事や人間関係などでストレスを抱えがちで、そのような環境や生活に心を乱されずに心身を安定した状態に保ちたいと願う人はヨガを選ぶことが多いようです。

身体の歪みや偏りなど姿勢の矯正や、特にお腹周りの筋力の衰えを改善したい人はピラティスが向いていると思います。

ピラティスは様々なトレーニングや健康法を取り入れて考案されたもの。その中にヨガも含まれています。

まとめ

自分の目的に合わせて『ヨガ』か『ピラティス』を選ぶのがいいと思います。

それぞれ意識すること・呼吸法・ポーズなど、同じポーズでも細かな違いがあったりもします。スムーズにおこなう為に、まずは型を覚えることも大切です。覚えてしまえば呼吸や筋肉の動きに意識を持つことができます。

そして、ヨガもピラティスも共通する部分がたくさんあり、ヨガで身体の芯を安定させる。ピラティスできれいな姿勢をつくる筋肉を育てる。

ヨガで筋肉を育てることはできますし、ピラティスでもストレス解消・リラックス効果を得ることができます。どちらにも身体の柔軟性を高める効果があります。

自分の心や体にどちらが向いているかを知るために、１度体験してみて決めるのも良いですね。